うりづん日記電腦版

<歴代序文>
海賊版 巻之玖

 れしい事に、我々スタッフは遂に300兆年後の人類の姿をかいま見ることが出来た。遺伝子はこれまで原則的には同一複製を繰り返すと云う従来の定説を、今回の実験が完全に覆したのである。今回の実験は遺伝子配列をコンピュータに入力し、それを完全に同一に複製作業を繰り返させたのである。その結果遺伝子乗り換えや重複は一切起こっていない筈なのである。
 理論的に判断すれば、このような状況下にあれば実験結果に見られる様な変質は起こ得る筈がなく、ここに新しい仮説を立てざるを得ないのである。それは「遺伝子は分裂を反復する過程に於いて自ら変質する」と云う事であるが、これは同時に遺伝子の性質そのものに矛盾する事にもつながる。こうしてここで遺伝子工学は新たな局面を迎えるのである。
 一方このような状況下に於いて政府は与那原町に原発を建設すると云う事を決定した。これは石川市に新たな火発を建設せんとする計画を与那原が誘致したもので、この歴史的事件は沖縄県内に於いて各自治体同士が情報戦を展開している証拠で、この様子では与那原町は高層建築化せざるを得、この南海の楽園もキナ臭くなる事であろう。
 こんな時代に中城村の琉大遺跡の大規模な発掘作業は開始された。沖縄県唯一の総合的考古学研究所である「沖縄歴史民俗芸能科学総合研究所」を中心に作業は順調に進でおり、当初予想された邪馬台国関係遺蹟の発見は残念ながら見られない様子だが、法文殿跡の一角から多数の紙束および一体の石像が発見された。紙束はかなり厳重に封印されている為内容はまだ良く分かっていないが、かすかに判読し得る表紙から、どうやら何かの日記であるらしく、封印の解除に関係者はもっか全力を注いでいる。また最近、石像のあった辺りから多量の高純度アルミニウム塊が発見され石像との関連性を調査中との事である。

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